全国にはさまざまな交通系ICカードがありますが、その中の一つがICOCAです。電車の乗り降りなどが楽になるICOCAですが、新たにカードを作りたい場合、どのような方法があるのでしょうか。ICOCAの種類ごとに、購入の仕方を解説します。
ICOCAカードとは
ICOCAとは、JR西日本が発行している交通系ICカードです。ほかの交通系ICカードと同様に、非接触式のICカード技術『FeliCa』を採用しており、財布やパスケースからカードを出すことなく、改札を通れます。
切符代わりに利用できるだけでなく、電子マネーとして使用することも可能です。また、使用した内容によってはICOCAポイントが貯まり、そのポイントを利用して列車の乗車や、買い物に利用できます。
ICOCAの主な種類
ICOCAには、大きく分けて以下の3種類があります。
- ICOCA
- こどもICOCA
- SMART ICOCA
ICOCAは誰でも使用できるカードで、こどもICOCAは小学生以下が使用できるカードです。ICOCAとこどもICOCAは、使用する際にチャージしておかなければいけません。
SMART ICOCAは、クレジットカードと連携しており、現金不要でチャージできるカードです。
この3種類にそれぞれ、定期券の機能が付加されたICOCA定期券があります。定期券の区間は定期券利用となり、それ以外の区間での乗り降りはチャージされた金額で精算でき、便利です。
ICOCAやICOCA定期券の作り方
ICOCAやICOCA定期券を作るにはどのような方法があるのでしょうか。主な購入方法を紹介します。
券売機で購入
ICOCAを購入する一番簡単な方法は、券売機での購入です。券売機の中には『ICOCA』のマークが付いたものがあり、その券売機であれば、ICOCAを購入できます。
ICOCAの購入の際には、デポジット(カード預り金)500円が必要です。デポジットを含んだ2000円でカードが購入できるため、あらかじめ1500円分がチャージされたカードになります。
デポジットとは、カードの使い捨てを防止するための預り金です。カードが不要になり、返却する際には、デポジットが返金されます。ちなみに、一部の券売機ではデポジット500円を含む1000・3000・5000・1万円のカードも購入可能です。
なお、ICOCAの購入にはクレジットカードは使用できません。
駅窓口で購入
ICOCAは券売機だけでなく、駅の窓口でも購入可能です。みどりの窓口や定期券売り場などの窓口で、ICOCAを購入したいと申し出れば手続きをしてもらえます。
定期券の作り方
ICOCA定期券は、券売機または窓口購入の2種類の方法で作れます。ICOCA定期券を購入できる券売機は、『みどりの券売機』および『ピンク色の自動券売機』の二つです。
購入時には、『カード検索番号』を指定しなければいけません。カード検索番号は、紛失再発行の手続きに必要となる番号で、任意の4桁の数字で指定します。
窓口購入の場合は『ICOCA定期券購入申込書』に希望の数字を記入、券売機購入の場合は画面の指示に従って、4桁の数字を入力すればOKです。
なお、新幹線定期券や、他社との連絡定期券、JR西日本のICOCAエリア外の駅が発着の定期券などは、ICOCA定期券では購入できないため注意しましょう。
こどもICOCAの作り方
通常のICOCAは改札を通ったとき大人料金で精算されますが、こどもICOCAは子ども料金で精算されます。よく電車にいるお子さんには、こどもICOCAがあると便利です。
基本は通常カードと同じ
こどもICOCAの作り方は、基本的には通常カードと同じです。ただし、こどもICOCAは小学生以下(12歳になる年の3月31日まで)しか利用できないカードのため、購入の際に、少し手続きが必要になります。
書類の記入や証明書が必要なため、窓口での発行のみで、券売機では購入できません。
こどもの場合は申込書と身分証明書が必要
こどもICOCAの申し込みには、『こどもICOCA購入申込書』が必要です。申込書は、みどりの窓口やJR駅構内に設置されています。
申込書に生年月日や性別など必要事項を記入した上で、パスポートや健康保険証など、子どもの年齢を確認できる公的な身分証明書とともに、窓口に提出して購入しましょう。こどもICOCAは、両親などでも代理で購入可能です。
SMART ICOCAの作り方
クレジットカードと連携することで、楽にチャージができるのがSMART ICOCAです。SMART ICOCAの特徴と購入方法を紹介します。
SMART ICOCAの特徴
SMART ICOCAの最大の特徴は、現金なしでチャージができる点です。クイックチャージ機や自動券売機などにSMART ICOCAを挿入し、希望金額のボタンを押せばチャージが完了します。
また、定期券ではない通常のICOCAカードは無記名式のため、紛失しても再発行ができません。しかし、SMART ICOCAであれば、紛失時に再発行できて安心です。
そして、SMART ICOCAなら、パソコンやスマートフォンの会員サイトで、利用履歴が確認できます。通常のICOCAカードは駅の券売機で利用履歴を確認して印字する必要がありますが、その手間が省ける点もメリットです。
申し込みと購入
SMART ICOCAの申し込みには、以下の三つの方法があります。
- オンライン申し込み(JRおでかけネット)
- 申込書を郵送(SMART ICOCA入会申込書またはJ-WESTカード入会申込書)
- カウンターで申し込み(大阪駅『Club J-WESTサービスコーナー』)
オンラインや郵送での申し込みの場合、カードが自宅に届くまでに時間がかかりますが、カウンター申し込みでは、即日発行が可能です。
SMART ICOCAの場合も、通常カードと同じく2000円の購入金額(500円のデポジット含む)となっています。
連携可能なクレジットカード
SMART ICOCAと連携可能なクレジットカードは多数あります。
- J-WEST
- JCB
- UFJ
- MUFG
- American Express
- VISA
- UC
- Master
- Diners Club
- DC
J-WESTカードはJR西日本が発行しているクレジットカードで、ICOCAにチャージするとJ-WESTポイントが貯まり、お得です。その他のクレジットカードでクレジットカード独自のポイントが貯まるかどうかは、カードの規約によります。
電子マネーチャージはポイント付与がされなかったり、還元率が減少したりするカードもあるため、注意が必要です。なるべく還元率の高いカードをチェックして、連携すると良いでしょう。
知っておきたいポイント
ここまで、ICOCAの種類や主な購入場所について解説してきました。それ以外にもICOCAを購入する際に、知っておきたいポイントを紹介します。
コンビニでは買えない
近年、コンビニではいろいろなサービスが展開されていますが、残念ながらICOCAはコンビニでは購入できません。
しかし、ICOCAを使ってコンビニで支払いやチャージをすることは可能です。利用できるかどうかは、店舗や地域にもよるため、店頭レジにICOCAのマークがあるかを確認してください。
近鉄や阪急などJR以外の購入場所
ICOCAは、JR以外の以下の場所でも購入できます。
- 近鉄電車
- 阪神電車
- 阪急電車
- 南海電鉄
- 京阪電車
それぞれ、駅に設置されている券売機や窓口で購入可能です。購入できるのは、ICOCAとICOCA定期券のみで、こども用も購入できますが、SMART ICOCAの申し込みはJR西日本以外ではできません。
また、近鉄電車では、近鉄グループのポイントカードKIPSとICOCAの機能が一つになった、KIPS ICOCAカードも販売されています。ただし、KIPS ICOCAは近鉄電車の利用によってポイントが貯まるため、注意しましょう。
まとめ
以前は、交通系ICカードは地域ごと、交通各社によって販売されており、それぞれ相互の利用ができませんでした。しかし、現在は相互利用も可能となり、1枚持っていれば、他の地域での旅行の際にも、スムーズに移動ができます。
どの交通系ICカードを作るかは、自分の移動範囲の地域によって決める必要がありますが、JR西日本の利用が多いのであれば、ICOCAがおすすめです。ICOCAの各カードの特徴を理解した上で、自分の利用方法にあったカードを購入しましょう。