クレジットカードの紛失や盗難、破損があったときには、クレジットカードを再発行しなければなりません。実はカードを再発行する際には、審査が行われています。そこで本記事では、クレジットカード再発行時の審査について詳しく解説します。
再発行にも審査がある
クレジットカードを新規発行、もしくは再発行するには、各カード会社所定の審査に通らなければなりません。
審査では、『お金を立て替えるだけの信用があるか』や『返済能力はあるか』などが判断され、審査結果によってはカードを発行してもらえないこともあります。
では、新規発行と再発行のときの審査には、どのような違いがあるのでしょうか。
新規発行の審査との違い
クレジットカードを発行する際にカード会社が重視するのは、『顧客の返済能力』と『信用』です。これは、新規発行でも再発行でも変わりません。ただし、これらを判断するために、カード会社が確認する項目が、新規発行と再発行では異なります。
新規発行では、他社でのこれまでの返済履歴と返済能力の確認が主に行われます。新規発行で審査される主な項目は以下の通りです。
- 属性(年齢・職業・年収・居住形態・家族など)
- クレジットカード以外の借入状況
- 金融事故の有無(滞納・多重債務・自己破産など)
再発行の審査基準
再発行では主に、計画的に返済をすることができる人物かどうかが審査されます。そのため、再発行を希望するカード会社での過去の支払い状況(延滞・未入金の有無など)が、チェックの対象となります。
再発行で審査落ちしてしまう条件
再発行時の審査で重視されるのは、そのカード会社での過去の返済履歴だということがわかりました。では具体的に、どのような状態だと再発行ができなくなってしまうのでしょうか。
延滞歴があるかどうか
カード会社は、延滞が起きたときに『遅延損害金』を請求するというペナルティを設けることで、延滞の防止を図っています。しかし、それでも延滞をしてしまった顧客には、契約内容の変更や契約の解消、再発行停止が行われます。
実際に再発行の停止が行われる具体的な日数や回数は、各カード会社により異なるため一概にはいえません。返済歴に不安がある人は、CICやJICCなどの信用情報機関(※)に自分の信用情報の開示を求めて、確認してみるとよいでしょう。
※信用情報機関とは、加盟する会員会社から登録された信用情報(借入金額・返済状況・残高など)を管理・提供する団体のことです。
お支払い日に間に合わなかった場合は|クレジットカードの三井住友VISAカード
未入金があったかどうか
未入金がある場合も、審査落ちの原因となってしまうので注意しましょう。未入金とは、カードの支払い日に引き落とし口座にお金が入っていない状態のことです。残高不足のためカード代金の引き落としができず、延滞となります。
不注意で入金を忘れてしまったときには、速やかに口座に入金しましょう。カード会社によっては、支払日以降も一定期間自動的に引き落としを行ってくれることもあります。
支払日以降は自動的に引き落としされない、もしくは自動的に引き落としがされる期間を過ぎてしまったときには、自分で返済の手続きをしなければなりません。
また、万が一何らかの理由により入金が不可能なときには、カード会社に連絡をして事情を説明し、その後の指示を受けましょう。
MUFGカード お支払日翌日以降のご入金のお手続きについて-MUFGカード(UFJカード含む)-|クレジットカードなら三菱UFJニコス
軽微な場合は再発行されることも
前述のとおり、再発行停止となる基準は各カード会社により異なります。そのため、軽微な延滞や未入金の場合には再発行停止にならないこともあります。
なお、いずれのカード会社も審査基準の公表はしていません。クレジットカードを長く使っていくためには、カードの利用代金を支払日にきちんと支払うという原則を忘れないようにしましょう。
クレジットカードを再発行する際の注意点
ここからは、クレジットカードの再発行手続きにおける注意点を説明します。
再発行は即日できない
クレジットカードの再発行依頼をしても、即日で新しいカードを受け取れるわけではありません。再発行の手続きを行ってから、2~3週間で郵送されることが多いです。
再発行手数料がかかる
クレジットカードの再発行には、基本的に再発行手数料がかかります。なお、再発行事由(経年劣化や盗難・紛失など)やカード会社により、再発行手数料は異なります。
以下に、各カード会社別の再発行手数料の一例を挙げておきます。
カード会社 | 手数料(税抜) | 備考 |
セゾンカード | 1,000円 | 一部対象外カードあり |
三菱UFJニコス | 1,000円 | ゴールドカードは無料 |
ファミマTカード | 750円 |
カード払いにしている支払先の確認
クレジットカードを再発行すると、カード番号が変わります。そのため公共料金の支払いなどをクレジットカードで行っている場合は、契約会社にカード情報の変更を届け出なければなりません。
カード情報の変更をしないままでいると料金の支払いが滞り、利用サービスが停止されることもあるので注意が必要です。
また、再発行手続き中で、手元に新たなカードが届いていない間に支払日があるときにも、契約会社に連絡をして支払日の変更の対応をしてもらう必要があります。
カードを紛失(盗難)し再発行しました。公共料金・通話料・インターネットなどの代金をカード払いで支払いをしていますが、何か手続きは必要ですか? | VJAグループ
一度審査落ちをすると同じカードは作れない?
ここでは、審査に落ちてしまったときの対処方法について説明します。
審査落ちすると記録が6カ月保存される
クレジットカードの審査に落ちてしまうと、信用情報機関に審査情報が登録されます。信用情報機関の情報は、加盟しているすべてのカード会社が見ることが可能です。
そのため、別のカードを申し込んだとしても、審査に落ちたという過去の情報により、『信用や返済能力が低い』と判断され、新しく申し込んだカードの審査にも落ちてしまうということも考えられます。
クレジットカードの申込履歴は、信用情報機関に6カ月間保存されます。審査に落ちた後に新たなカードを作るには、6カ月経ってからのほうが無難です。
登録内容と登録期間 |日本信用情報機構(JICC)指定信用情報機関
別のカードを検討する
クレジットカード会社の審査基準は、カード会社によって差があります。つまり、Aカードで審査に落ちたとしても、Bカードでは審査に通るということもあり得るのです。
ただし前述のとおり、クレジットカードの申込履歴は、信用情報機関に6カ月月間保存されます。審査に落ちたという記録が残っている間は、カード会社の審査の基準に関わらず、厳しい判断がなされると考えておいたほうがよいでしょう。
6カ月経過後に別のクレジットカードの申込をした際には、カード会社の基準によっては審査をクリアし、新たなクレジットカードを作れる可能性もあります。
まとめ
クレジットカードは、新規申込時だけでなく再発行時にも審査があります。審査時は、信用情報機関に記録された情報を元に、再発行の可否が判断されます。
審査に落ちずスムーズにカードの再発行をするためには、信用情報が悪くならないよう、日ごろから支払いの延滞などに注意し、正しくクレジットカードを利用することが肝心です。